漢方薬〜東洋医学的アプローチの魅力 |
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今日は七夕ですね🎋 皆さんは、どんな願いごとをされましたか? ところで、昨日は愛知精神診療所協会学術講演会に参加し、川嶋浩一郎先生の漢方に関する講演を聞いてきました。 漢方は、中国から伝わった医学をベースに10世紀ごろから日本人の体質や風土に合わせて発展進化した、日本独自のもの。明治時代に西洋医学が導入されるまでは正式な医学として定着していました。そのため、漢方医学は、西洋医学で治療対象となるような疾患に対しても診療体系を持ち合わせており、世界でも注目され普及しつつあるようです。 漢方薬は、何種類かの生薬を組み合わせて作られています。生薬は植物の茎や根、貝殻や鉱物などの自然素材を蒸したり干したり乾燥させたものです。 今回のテーマでもあった「発達障害児への漢方の試み」の中でピックアップされていた「甘麦大棗湯」。 構成生薬は、上記写真のように甘草、小麦、大棗(ナツメ)と全て食品由来で甘いものばかりです。 疲れて気分が落ち着かない時には甘いものを食べるとリラックスできますよね?そういった効果をパワーアップしたような処方で即効性もあります。 比較的体力が低下した人で気分が不安定、不安、不眠がちで、訳もなく涙が出てしまう場合によく効く薬です。子どもだけでなく大人、特に女性に使えます。診療でも効果がみられた方が何人かいらっしゃいました。 以前、専門医の先生が、漢方は美味しく感じると合っているのよと仰っていました。また、よくなってきて体が必要ないと判断すると、まずく感じるようにもなるそうです。 薬にもよりますが、効果が出るのに2週間から4週間くらいのことが多いようです。 そして、漢方にも少ないながらも副作用や相互作用が出る場合があります。特に甘草を含む漢方では、浮腫(むくみ)や脱力感が出た場合には注意が必要です。 漢方医学では、「人間の体も自然の一部」と考えます。漢方は体全体の調和を図ることで部分も改善させる。ストレスからくる心身不調に対し心と身体へのアプローチができることから、我々が扱う病態には強い味方になります。 漢方薬には以前より興味があり、講演や講習に出かけてきました。 とても奥が深く、まだまだ勉強不足ではありますが、今後さらに治療の幅を広げていきたいと思います。 |
2019年7月7日(日) |
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