「もの忘れ検診」〜65歳以上の名古屋市民が対象 |
投稿: |
今日も高速道路逆走の高齢者ドライバーによる痛ましい交通事故が報道されていました。 高齢になると、目の機能が低下したり、動作反応の機能、特に複数の作業課題を同時に行う能力が低下し、注意力・判断力の低下や操作ミスが起こりやすくなります。 特にアルツハイマー型認知症では、視空間認知機能低下を生じ、空間の位置関係がわかりにくくなるため、運転中に車の位置がわかりづらくなったり、道を間違えやすくなったりします。 相次ぐ高齢ドライバーの不幸な事故がなくなるよう祈るばかりです。 名古屋市で始まる「もの忘れ検診」 今後、高齢化が進み、認知症高齢者は、2025年には全国で約700万人、65歳以上の5人に1人に達すると推計されています。名古屋市では、認知症は誰もがなり得る身近な病気であるという認識のもと、市全体で認知症に関する施策が総合的に推進されています。 そこで、認知症の人を早期に発見して適切な治療や関係機関につなげることや、予防のきっかけとすることを目的に、令和2年1月より65歳以上の市民を対象に「もの忘れ検診」が1年に1回無料で受けられることになりました。 当院は協力医療機関として登録されました 検診内容は、問診による認知機能検査となります。検診ですので、すでに認知症と診断されている方は受けられません。また、簡易的に検査するものであり、認知症の診断を行うものではありません。検診の結果、認知機能低下が認められる場合には、精密検査が行える医療機関へ案内させていただくことになります。 検診希望の方は、令和2年1月より電話にて予約を承りますのでよろしくお願いいたします。 認知症発症予防につながる生活習慣 現在、認知症の決定的な予防法はありませんが、国立長寿医療研究センター長の遠藤英彦先生は、認知症予防の5ヶ条を下記のように示しておられます。 1、生活習慣病の予防 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、脳血管障害が原因となる血管性認知症を引き起こす。糖尿病では2倍、高血圧では3倍、アルツハイマー型認知症の発症も高くなることが分かっている。よって生活習慣病を予防することは、認知症の予防として重要 2、有酸素運動 生活習慣病を予防するためにも効果的なのが、ウオーキングやランニングなどの有酸素運動。有酸素運動と知的活動を組み合わせた「コグニサイズ」という運動法が効果的。具体的には、足踏みやストレッチ、ウオーキングなどの運動と組み合わせて計算やしりとりをすることで、運動と認知トレーニングを同時に行うとよい 3、日記などの知的活動 何歳になっても頭を使うことが大事。特に定年退職後は家に引きこもらず、人と関わり頭を使うようにする。具体的には日記、語学、楽器、囲碁、将棋、カラオケなど 4、野菜・大豆などを意識した食事 食べるとよいとされているのが、緑黄色野菜、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品、海藻類など 5、慢性的なストレスをなくすこと 不和なく笑顔で過ごす 軽度認知障害(MCI)と早期対応 軽度認知障害と診断されても、必ずしも認知症になるわけではありません。国立長寿医療研究センターの研究結果では、MCIの高齢者の4年間追跡調査結果で46%は正常に戻ったといいます。 最近では、MCIが発見されても、食事や運動、生活習慣などを改善することで、認知症への進行を防いだり発症を遅らせたりできることがわかってきました。 長寿の時代、認知症は年を重ねるごとにリスクが高まり、いつ自分や家族がかかるかもしれません。 来年から名古屋市で始まる「もの忘れ検診」。早期に認知機能低下を発見し、生活を見直すことで認知機能の改善や維持が図れるといいですね! |
2019年12月1日(日) |
<< 作品、募集しています♪ 〜折り紙作品の紹介と芸術療法 2019.11.16 |
謹賀新年 >> 2020.1.5 |
はじめのページに戻る |