名古屋市天白区の心療内科精神科 とんぼヶ丘クリニック【心療内科・精神科・うつ病・パニック障害・発達障害・認知症他】
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 「コロナうつ」にならないために
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4月7日、7都道府県に出された新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は4月16日には全国に広げられ、外出自粛の生活が続いています。

休校や休業、在宅勤務で家にいる時間が長くなり、また多くの活動が休止となり、不自由な生活にストレスがたまっていませんか?

受診される方の中には、感染への恐怖、出口が見えない不安、現状や今後の心配から強いストレスを感じ、こころやからだの不調を訴えられることも多くなってきました。

このような危機的状況下では、不安や恐怖を感じることは当たり前ではありますが、ストレスが長引くことで、うつ状態・うつ病への移行に注意が必要です。


「コロナうつ」にならないために

行動(生活スタイル)や認知(考え方)を工夫して、こころとからだの健康を保ち「コロナうつ」を予防しましょう。





1、「外出自粛生活」ルーチン&お楽しみでアクセントを


*ルーチンをこなす〜規則正しい生活と日課

休校が2ヶ月も続くと、だれてしまったり運動不足で寝付きにくくなったりしがちです。

朝はいつも通り起きて、朝食をとったら外に出て、通学、通勤のつもりで30分くらいウォーキングしましょう。日に浴びながら運動すると、セロトニンが活性化し、気持ちが安定するとともに、夜、眠りやすくなります。

大まかな日課を作り、学習や在宅ワークの方は、1時間に1回程度ストレッチなどで休憩。子供と一緒の場合には、時間を区切ったり目安を作り、楽しみを後にもってくるといいかもしれません。

思春期以降の子どもには、提案や声かけはしても、介入しすぎず、お互いにプライベートな時間や空間で適度な距離感を保つようにしましょう。

大人も子どもも、自粛疲れでイライラしやすくなりがちですが、相手の気持ちを想像し、いたわりの気持ちがもてるとこころの余裕が生まれます。


*お楽しみリストをつくる

自宅でできる楽しいこと、気分転換や元気がでること、やっておきたいことリストを作る。短時間で手軽にできること、時間をかけて取り組むこと、一人ですること、家族と一緒に楽しめることなど、どんな些細なことでも、リストアップしておきます。食卓の雰囲気を変えてみたり、ティータイムは場所を変えてベランダやガーデンカフェにしてみるなど「おうちご飯」「おうちカフェ」を楽しい時間にするのもいいかもしれません。頑張っているご褒美に美味しいお菓子とか、ビール1杯とか、いろんなバージョンがあると楽しめます。




*おうちご飯の工夫

感染防止として買い物の回数を減らすために、日持ちのする方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。買ってきた肉、魚、野菜を塩麹、西京漬け、粕漬、ぬか漬けなどにしておくと、栄養価も高く、さまざまな味が楽しめて長持ちします。植物性乳酸菌により腸内環境が良くなり、免疫力アップにもつながります。また、買ってきた食材や作ったものを真空パックや冷凍保存にしておくのもいいかもしれません。今は便利な商品もあるので、この機会に活用してみるのもいいですね。


*無心になれることをする

何か一つのことに集中すると頭のゴタゴタが消えて無心になれます。マインドフルネスや坐禅にあるような「今ここに集中する」ことで心穏やかになります。

塗り絵、刺繍、物づくりなどの他、床みがきなどの掃除や片づけ、庭仕事に集中する。このように無心になれる時間を持つことは、こころの健康にとって大切です。

最近、家にあった布で作ったと素敵な柄の手作りマスクをつけて来院される方も多くなりました。必要に迫られてということでもあると思いますが、無心に裁縫することでこころの癒しになるとともに出来上がりの楽しみや達成感もあり、一石二鳥ですよね。




2、感情のやり場がなくなったら

感染拡大に伴う影響が各年代や各方面で広がり、それぞれの立場で苦労し耐えながら過ごしておられる方も多いと思います。最初は家族が家にいることが嬉しくても、長引くにつれ、不自由な生活が続くことで疲れがでてしまいがちです。

悲しい、不安、怒り、イライラなど負の感情を抑え続けると、からだやこころの不調につながりやすいので、感情を受け止めつつ適切に処理をしていきましょう。


*アンガーマネジメントで怒りの感情をコントロール

家族との間で怒りの感情が爆発しそうになったら、相手との距離をとり(違う部屋やトイレに駆け込むのでもいい)できれば感情を客観視し冷静になる時間を稼ぎます。

怒りといっても、「いい加減にして!」「思う通りにしてくれない」「私のことわかってくれない」「自分ばっかり」など、相手や出来事といった外的要因のみならず、それをどう感じるかという自分自身の感情になります。

期待や現実にズレがあったり、自分の信条が裏切られた時に許せない気持ちになりがちです。「こうするべき」との価値観は人によって異なるので、相手の価値観を認めつつ、自分の許容範囲や視野を広げられる(これもありかな。この程度なら仕方ないかな)とよいですよね。


アンガーマネジメントでは、怒りのピークは6秒と言われており、言わなくてもいいことを言ったり、手が出そうになったりするのを防ぐために、イラっときたりカッとなったりしたときには、まず深呼吸して「大丈夫」と唱えて、最初の6秒間やり過ごす方法があります。

怒りの感情をコントロールできるようになれば、エネルギーの消耗も減り、ストレスも溜まりにくくなります。


*感情を上手に表現しよう

感情を適切に表現・処理する方法としては、まずは自分の不安な感情を言葉で表現(言語化)したり、さまざまな自己表現、行動をおこす方法があります。

自分の気持ちを信頼できる人に話せるとよいですが、今は会って喋ることができないのでSNSを通して気持ちを共有することで気分が少しでも楽になります。自分の気持ちを日記やスマホなどに記すことで感情を言語化・客観視でき、心が落ち着けることもあります。

また、何かに夢中になる、行動をおこす(目先が変わると気分をリセットできる場合があり、部屋を変えたりを外を眺めたり運動したりする)のも役立ちます。

安心して話せる人がおらず、感情がうまく処理できないようでしたら、専門家に話をするのも一つの方法です。



3、人とのつながりを維持する

感染防止のために、人との物理的距離はとらねばならないですが、電話、SNS,ネットで人とつながることはできます。若い方は、今までにもネットで繋がることは自然としてこられたでしょうし、社会人の方はオンライン飲み会などを楽しんでおられるかもしれません。

一方で、年配の方は、人との接触が途絶え孤独になると、うつ気分や認知機能の低下を生じやすくなるため注意が必要です。

私も先日、初めてWeb会議に参加しましたが、家にいて繋がれることは便利で、こんな時だからこそ、同志と意見交換したり不安を共有し合えるのは、とても有難たく、安心感も得られます。

人との付き合い方は人それぞれなので、自分に合った方法で緩やかに維持できるとよいのではないでしょうか。




4、運動〜体力・筋力低下予防

外出自粛とともに今まで行っていたスポーツが休止となり、運動不足になっておられる方も多いと思います。身体を動かすと筋力維持のみならずリフレッシュにもなり、心身の健康を維持するために重要です。制限はあるもののご自分に合った運動を心がけましょう。


*家の中でできる体操、ストレッチや筋トレ

全身の筋肉を動かすラジオ体操やストレッチ、下肢の筋肉を維持するスクワットは家で手軽にでき、お勧めです。最近は、スポーツ選手などによる工夫のこらした動画配信もあるので、参考にしてみるのもいいかもしれません。


*ウォーキングやジョギング

外出自粛の中、3密を避けたウォーキングやジョギングは可能とされています。青空の下、日を浴びながら体を動かすことで、リフレッシュにもなります。

静止時には他人との物理的距離を2mとるよう求められていますが、運動中に飛沫がどのように拡散するか調べた欧州の研究チームは

ウォーキングでは4〜5m

ジョギングでは10m

サイクリングでは20m離れる必要があるとしています。

このようなことから、人の集まる公園やコースを避け、家の近くを一人か二人で行うのがよいと思います。私自身も、昼休みにクリニック近くの住宅地や島田緑地周辺を散歩し、運動不足の解消と気分転換になっています。




5、深呼吸、リラクセーション

気持ちが行き詰まってきたら、庭やベランダに出て、空を見上げながら胸を広げて深呼吸(鼻から4秒息を吸って口をすぼめて8秒かけてゆっくり吐く)をしてみましょう。深呼吸や腹式呼吸をしながら肩の力を抜きます。上肢や下肢の筋肉も緩めて全身の力を抜いてリラクセーションすると、自律神経も整いやすくなります。

そして、「青空がきれい」「空気が美味しい」「自分はがんばってる」「今日も元気に過ごせた」等、自分に優しい肯定的な言葉を発すると、リラックスできるとともに気持ちも前向きになれます。




6、心の持ち方

・他者への寛容さ〜こんな時だから、お互いを敬い、力を合わせよう

 感染拡大を阻止しなければいけないとの共通目標はあるものの、置かれた立場や状況が異なり、さまざまな意見や感じ方があります。傷つけたり攻撃し合ったりすることは避け、自分を大切にするとともに、他人のことも理解するようにしましょう。


・想像力を働かせる〜異なる価値観や立場の方に思いを馳せる

 一人でいるのもしんどいし、家族とずっと顔を突き合わせているのもしんどくなってくる。感染リスクを負いながら仕事をするのもしんどいし、ペースを保ちづらい在宅勤務もしんどい、経済不安を抱えながら休業要請に従うのもしんどい。大人も子どもも、皆がそれぞれの立場でしんどさを抱え、今までと違う生活に耐え、がんばっています。

苦難な時だからこそ、想像力を働かせ、お互いの価値観を認め合い、皆で協力して乗り越えていきたいものです。


・がんばりすぎない

 ウイルスとの闘いは長期化が予想され、当面、ウイルスと共存しながら自らと家族を守っていく必要があります。がんばりすぎると、こころもからだも疲れてしまいます。適度に手を抜きながら、また楽しみも入れながら長続きする方法を工夫していきましょう。疲れを感じたらゆっくり休みましょう。

子どものいいところ、好きなところを認めてあげる。長い自由時間を好きなように過ごすのも貴重な経験と思うようにしてみてはどうでしょうか。いい親でなければと思わず、肩の力を抜いて理想と現実のギャップを受け入れる。時には同じ目線で楽しむとよいでしょう。


・今、自分にできることをする

 自分でコントロールできないことにとらわれすぎないようにしましょう。改めて何が大事かを考え、欲張らないようにする。忙しかった時には見えなかった、感じなかったことを見たり感じたりできるかもしれません。新しいことを模索してチャレンジしたり、発想転換で変化をもたらすチャンスと前向きにとらえて準備するのもいいかもしれません。


・感謝の気持ちで前向きに

 今まで普通にできたことができない現状を嘆きたくなりますが、当たり前のことに気づいて感謝の気持ちを持てると心穏やかに過ごせるのではないでしょうか。

身近な人に勇気を出して「ありがとう」と笑顔で言ってみませんか。

苦難や苦労、逆境は人を成長させるともいいます。トンネルは必ず抜けます。道は開けます。

今、トンネルの暗闇にいるように感じている方も、希望を捨てずに一緒に歩んでいきましょう。







2020年4月29日(水)

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