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 うつ病の早期発見、早期治療、適切なケアの重要性〜コロナ禍で若年うつ病の受診が増えています
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秋も深まり過ごしやすい日もありますが、寒暖差が激しく、自律神経のバランスが崩れやすい時期でもあります。さらに、第3波ともいわれるほど新型コロナウイルス感染が再拡大しており、流行の長期化は、我々にさまざまな制限や不安をもたらし、慢性的なストレスとなっています。


秋田大学の調査によると、学生のほぼ1割に中等度以上のうつ症状がみられたといいます。また、医療ベンチャー「ジャパンイノベーション」の調査では、大学生の44%にうつ病の可能性ありとの驚きのデータが示されています。米国においても、新型コロナウイルス流行がもたらす社会的孤立と機会喪失が、若者の精神衛生とキャリア形成に影を落としており、若者の「コロナうつ」のリスクが増加しているとの指摘があります。

ようやく対面式授業が始まった大学があるものの、友人とも会えず長期にわたり自宅で悶々とオンライン授業を受ける日々は、学生にとってどれだけ辛く孤独なものだったでしょうか。そして経済的な見通しが悪化する中、就職や将来への不安に苛まれている方も多いと思います。



うつ症状のみられる若年層の受診が増加

最近、不安や抑うつ、倦怠感などの心身不調を訴えクリニックを受診される方が多くなりました。特に今年は、例年以上に若い方の受診が目立ちます。


コロナ禍においては、全世代でメンタルヘルスケアが必要ですが、特に若い方のメンタルヘルスケアの重要性を感じます。

どの年代においても一年一年はかけがえのないものですが、特に若年層(10代、20代)にとって、コロナ禍の生活は、思い描く生活や活動ができないことから、喪失感や無力感を強く抱きやすくなります。また、休校措置によって授業や行事が年度後半に重なったことで、時間的かつ精神的な余裕がなくなり、疲れが溜まりやすいともいえます。さらに将来の展望が見えにくく悲観的となったり不安を抱きやすくなったりします。

このような状況下で、うつ状態に陥り受診に至る方が増えています。診察中に涙が溢れだすことも多く、受診するまでに辛さを抱えながら耐えてきたことが窺われます。


個々のケースにもよりますが、睡眠や食事がとれにくい状態が続く場合、思考力も低下しており悪循環を断ち切るため、休養が必要になります。

「うつ」というのは、がんばり続けて消耗・疲弊した状態(エネルギー切れ)のため、がんばろうとしても、がんばれない状態です。

周りの方は、辛さに共感しつつ、今までがんばってきたことを認め、休養の保証をしてあげてください。ご本人は休むことに罪悪感を抱いていることが多いですが、休んでいいと言われることで、ほっとしたり少しでも気が楽になったりするものです。



うつ病とは

日本人のうつ病発症率は13人に1人といわれ、今や誰でもかかり得る疾患です。うつになると、気分が塞ぎ、悲観的な考えとなり、自己否定や罪悪感(自分自身を責める)が出るとともに、疲労感、食欲低下、頭痛、腹痛、睡眠障害などの身体症状も出現します。

うつ病治療は、休養、薬物療法、精神療法、環境調整を組み合わせて行います。ご家族をはじめ周囲の方には、病気を受け入れ、治療や関わり方について正しい知識を持ちサポートしていただくことで、患者さんの回復力を高めていくことができます。


1、うつのサインに気づく

一緒に生活しているご家族だからこそ、ちょっとした変化に気づくことができます。下記のようにいつもと様子が違ったり、気分や体調がすぐれないことが続く場合には、うつ病が関係している可能性がありますので、早めの受診をお勧めします。


日常生活の変化

・友達と交流しなくなった(SNSを含む)

・好きなことや趣味をしなくなった

・いつもやっていることをしなくなった

・横になったり、ぼーっとしていることが多くなった

・口数が少なく会話が続かなくなった

・ちょっとしたことで怒ったりイライラしたりするようになった

・些細なことを気にするようになった

・身だしなみに気を遣わなくなった


身体症状

・不眠、だるさ、頭痛、吐き気、めまい、肩こり、動悸、胃のもたれ、腹痛、下痢や便秘など


2、治療をはじめる

うつ病になると決断力が低下するため、身体の不調を自覚していても本人自ら行動を起こしにくくなります。精神科や心療内科への受診に抵抗がある場合、まずは、内科などかかりつけ医で相談したり検査したりしてもらう方法もあります。身体に異常がないとわかったことで心療内科を勧めると受診しやすくなる場合もあります。一人で受診するのは不安に感じることも多く、できるだけ付き添ってあげると安心して受診しやすくなります。


3、治療のサポートと関わり方のポイント

急性期:まずは安心してゆっくり休める環境を作ってあげてください。回復を助けるため、脳の働きを調整する抗うつ薬などの薬物療法を行うことが多いため、服薬のサポートをお願いします。不安焦燥や悲観的思考が強い場合も多いですが、心のエネルギーをためることを最優先とし、決して無理をさせずに、温かく見守ってください。判断することが難しい時期でもあるため、決断を性急に求めることは控え、退学・退職など重大な決断は回復するまで先延ばしするようにしましょう。


回復期:治療を始めると少しずつ症状がよくなりますが、症状の波が出ることも多く、よくなったり悪くなったり三寒四温のように少しずつ落ち着いていきます。症状が安定したら、睡眠と生活のリズムを整え、少しずつ活動を増やしていきます。本人の思いを尊重しながら、できることから取り組んでもらうようにしましょう。本人が手伝ってくれたら「ありがとう」の気持ちを言葉で伝えてください。些細なことでも自分が必要とされているという感覚は自尊心を高めます。回復には時間がかかることも多いですが、焦らず、適度な距離を置いて長い目で見守ってください。共倒れにならないようご家族もご自身のサポーターをもったり息抜きするなどしてケアを忘れないようにしましょう。


ご家族の力

うつ病治療において、ご家族のサポートは患者さんにとって何よりも大きな支えになります。

辛さのあまり消えてしまいたくなったとき、もう治らないのではないかとあきらめそうになったとき、自分を信じて回復を待ってくれているご家族の想いは、患者さんが病気を克服しようと思う大きな力となります。

時間がかかっても、うつ病は必ず治る病気です。

ご自分のこともいたわりながら、大切な人を支えてあげてください。



参考資料:患者さんの家族のためのうつ病サポートブック 監修 小山司




2020年11月23日(月)

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