「コロナうつ」にならないために |
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4月7日、7都道府県に出された新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は4月16日には全国に広げられ、外出自粛の生活が続いています。 休校や休業、在宅勤務で家にいる時間が長くなり、また多くの活動が休止となり、不自由な生活にストレスがたまっていませんか? 受診される方の中には、感染への恐怖、出口が見えない不安、現状や今後の心配から強いストレスを感じ、こころやからだの不調を訴えられることも多くなってきました。 このような危機的状況下では、不安や恐怖を感じることは当たり前ではありますが、ストレスが長引くことで、うつ状態・うつ病への移行に注意が必要です。 「コロナうつ」にならないために 行動(生活スタイル)や認知(考え方)を工夫して、こころとからだの健康を保ち「コロナうつ」を予防しましょう。 1、「外出自粛生活」ルーチン&お楽しみでアクセントを *ルーチンをこなす〜規則正しい生活と日課 休校が2ヶ月も続くと、だれてしまったり運動不足で寝付きにくくなったりしがちです。 朝はいつも通り起きて、朝食をとったら外に出て、通学、通勤のつもりで30分くらいウォーキングしましょう。日に浴びながら運動すると、セロトニンが活性化し、気持ちが安定するとともに、夜、眠りやすくなります。 大まかな日課を作り、学習や在宅ワークの方は、1時間に1回程度ストレッチなどで休憩。子供と一緒の場合には、時間を区切ったり目安を作り、楽しみを後にもってくるといいかもしれません。 思春期以降の子どもには、提案や声かけはしても、介入しすぎず、お互いにプライベートな時間や空間で適度な距離感を保つようにしましょう。 大人も子どもも、自粛疲れでイライラしやすくなりがちですが、相手の気持ちを想像し、いたわりの気持ちがもてるとこころの余裕が生まれます。 *お楽しみリストをつくる 自宅でできる楽しいこと、気分転換や元気がでること、やっておきたいことリストを作る。短時間で手軽にできること、時間をかけて取り組むこと、一人ですること、家族と一緒に楽しめることなど、どんな些細なことでも、リストアップしておきます。食卓の雰囲気を変えてみたり、ティータイムは場所を変えてベランダやガーデンカフェにしてみるなど「おうちご飯」「おうちカフェ」を楽しい時間にするのもいいかもしれません。頑張っているご褒美に美味しいお菓子とか、ビール1杯とか、いろんなバージョンがあると楽しめます。 *おうちご飯の工夫 感染防止として買い物の回数を減らすために、日持ちのする方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。買ってきた肉、魚、野菜を塩麹、西京漬け、粕漬、ぬか漬けなどにしておくと、栄養価も高く、さまざまな味が楽しめて長持ちします。植物性乳酸菌により腸内環境が良くなり、免疫力アップにもつながります。また、買ってきた食材や作ったものを真空パックや冷凍保存にしておくのもいいかもしれません。今は便利な商品もあるので、この機会に活用してみるのもいいですね。 *無心になれることをする 何か一つのことに集中すると頭のゴタゴタが消えて無心になれます。マインドフルネスや坐禅にあるような「今ここに集中する」ことで心穏やかになります。 塗り絵、刺繍、物づくりなどの他、床みがきなどの掃除や片づけ、庭仕事に集中する。このように無心になれる時間を持つことは、こころの健康にとって大切です。 最近、家にあった布で作ったと素敵な柄の手作りマスクをつけて来院される方も多くなりました。必要に迫られてということでもあると思いますが、無心に裁縫することでこころの癒しになるとともに出来上がりの楽しみや達成感もあり、一石二鳥ですよね。 2、感情のやり場がなくなったら 感染拡大に伴う影響が各年代や各方面で広がり、それぞれの立場で苦労し耐えながら過ごしておられる方も多いと思います。最初は家族が家にいることが嬉しくても、長引くにつれ、不自由な生活が続くことで疲れがでてしまいがちです。 悲しい、不安、怒り、イライラなど負の感情を抑え続けると、からだやこころの不調につながりやすいので、感情を受け止めつつ適切に処理をしていきましょう。 *アンガーマネジメントで怒りの感情をコントロール 家族との間で怒りの感情が爆発しそうになったら、相手との距離をとり(違う部屋やトイレに駆け込むのでもいい)できれば感情を客観視し冷静になる時間を稼ぎます。 怒りといっても、「いい加減にして!」「思う通りにしてくれない」「私のことわかってくれない」「自分ばっかり」など、相手や出来事といった外的要因のみならず、それをどう感じるかという自分自身の感情になります。 期待や現実にズレがあったり、自分の信条が裏切られた時に許せない気持ちになりがちです。「こうするべき」との価値観は人によって異なるので、相手の価値観を認めつつ、自分の許容範囲や視野を広げられる(これもありかな。この程度なら仕方ないかな)とよいですよね。 アンガーマネジメントでは、怒りのピークは6秒と言われており、言わなくてもいいことを言ったり、手が出そうになったりするのを防ぐために、イラっときたりカッとなったりしたときには、まず深呼吸して「大丈夫」と唱えて、最初の6秒間やり過ごす方法があります。 怒りの感情をコントロールできるようになれば、エネルギーの消耗も減り、ストレスも溜まりにくくなります。 *感情を上手に表現しよう 感情を適切に表現・処理する方法としては、まずは自分の不安な感情を言葉で表現(言語化)したり、さまざまな自己表現、行動をおこす方法があります。 自分の気持ちを信頼できる人に話せるとよいですが、今は会って喋ることができないのでSNSを通して気持ちを共有することで気分が少しでも楽になります。自分の気持ちを日記やスマホなどに記すことで感情を言語化・客観視でき、心が落ち着けることもあります。 また、何かに夢中になる、行動をおこす(目先が変わると気分をリセットできる場合があり、部屋を変えたりを外を眺めたり運動したりする)のも役立ちます。 安心して話せる人がおらず、感情がうまく処理できないようでしたら、専門家に話をするのも一つの方法です。 3、人とのつながりを維持する 感染防止のために、人との物理的距離はとらねばならないですが、電話、SNS,ネットで人とつながることはできます。若い方は、今までにもネットで繋がることは自然としてこられたでしょうし、社会人の方はオンライン飲み会などを楽しんでおられるかもしれません。 一方で、年配の方は、人との接触が途絶え孤独になると、うつ気分や認知機能の低下を生じやすくなるため注意が必要です。 私も先日、初めてWeb会議に参加しましたが、家にいて繋がれることは便利で、こんな時だからこそ、同志と意見交換したり不安を共有し合えるのは、とても有難たく、安心感も得られます。 人との付き合い方は人それぞれなので、自分に合った方法で緩やかに維持できるとよいのではないでしょうか。 4、運動〜体力・筋力低下予防 外出自粛とともに今まで行っていたスポーツが休止となり、運動不足になっておられる方も多いと思います。身体を動かすと筋力維持のみならずリフレッシュにもなり、心身の健康を維持するために重要です。制限はあるもののご自分に合った運動を心がけましょう。 *家の中でできる体操、ストレッチや筋トレ 全身の筋肉を動かすラジオ体操やストレッチ、下肢の筋肉を維持するスクワットは家で手軽にでき、お勧めです。最近は、スポーツ選手などによる工夫のこらした動画配信もあるので、参考にしてみるのもいいかもしれません。 *ウォーキングやジョギング 外出自粛の中、3密を避けたウォーキングやジョギングは可能とされています。青空の下、日を浴びながら体を動かすことで、リフレッシュにもなります。 静止時には他人との物理的距離を2mとるよう求められていますが、運動中に飛沫がどのように拡散するか調べた欧州の研究チームは ウォーキングでは4〜5m ジョギングでは10m サイクリングでは20m離れる必要があるとしています。 このようなことから、人の集まる公園やコースを避け、家の近くを一人か二人で行うのがよいと思います。私自身も、昼休みにクリニック近くの住宅地や島田緑地周辺を散歩し、運動不足の解消と気分転換になっています。 5、深呼吸、リラクセーション 気持ちが行き詰まってきたら、庭やベランダに出て、空を見上げながら胸を広げて深呼吸(鼻から4秒息を吸って口をすぼめて8秒かけてゆっくり吐く)をしてみましょう。深呼吸や腹式呼吸をしながら肩の力を抜きます。上肢や下肢の筋肉も緩めて全身の力を抜いてリラクセーションすると、自律神経も整いやすくなります。 そして、「青空がきれい」「空気が美味しい」「自分はがんばってる」「今日も元気に過ごせた」等、自分に優しい肯定的な言葉を発すると、リラックスできるとともに気持ちも前向きになれます。 6、心の持ち方 ・他者への寛容さ〜こんな時だから、お互いを敬い、力を合わせよう 感染拡大を阻止しなければいけないとの共通目標はあるものの、置かれた立場や状況が異なり、さまざまな意見や感じ方があります。傷つけたり攻撃し合ったりすることは避け、自分を大切にするとともに、他人のことも理解するようにしましょう。 ・想像力を働かせる〜異なる価値観や立場の方に思いを馳せる 一人でいるのもしんどいし、家族とずっと顔を突き合わせているのもしんどくなってくる。感染リスクを負いながら仕事をするのもしんどいし、ペースを保ちづらい在宅勤務もしんどい、経済不安を抱えながら休業要請に従うのもしんどい。大人も子どもも、皆がそれぞれの立場でしんどさを抱え、今までと違う生活に耐え、がんばっています。 苦難な時だからこそ、想像力を働かせ、お互いの価値観を認め合い、皆で協力して乗り越えていきたいものです。 ・がんばりすぎない ウイルスとの闘いは長期化が予想され、当面、ウイルスと共存しながら自らと家族を守っていく必要があります。がんばりすぎると、こころもからだも疲れてしまいます。適度に手を抜きながら、また楽しみも入れながら長続きする方法を工夫していきましょう。疲れを感じたらゆっくり休みましょう。 子どものいいところ、好きなところを認めてあげる。長い自由時間を好きなように過ごすのも貴重な経験と思うようにしてみてはどうでしょうか。いい親でなければと思わず、肩の力を抜いて理想と現実のギャップを受け入れる。時には同じ目線で楽しむとよいでしょう。 ・今、自分にできることをする 自分でコントロールできないことにとらわれすぎないようにしましょう。改めて何が大事かを考え、欲張らないようにする。忙しかった時には見えなかった、感じなかったことを見たり感じたりできるかもしれません。新しいことを模索してチャレンジしたり、発想転換で変化をもたらすチャンスと前向きにとらえて準備するのもいいかもしれません。 ・感謝の気持ちで前向きに 今まで普通にできたことができない現状を嘆きたくなりますが、当たり前のことに気づいて感謝の気持ちを持てると心穏やかに過ごせるのではないでしょうか。 身近な人に勇気を出して「ありがとう」と笑顔で言ってみませんか。 苦難や苦労、逆境は人を成長させるともいいます。トンネルは必ず抜けます。道は開けます。 今、トンネルの暗闇にいるように感じている方も、希望を捨てずに一緒に歩んでいきましょう。 |
2020年4月29日(水) |
新型コロナウイルス感染拡大に伴う心身への影響とストレスケア〜作品の紹介とともに |
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国内外で新型コロナウイルス感染が拡大しています。そして、小中高校の休校、イベントや大会の自粛、仕事や経済への影響、マスク不足などの社会的混乱も来たしています。自分が感染しないかとの恐怖や先が見えない不安で気持ちも塞ぎやすいのではないでしょうか。 本日は、体調や心のバランスを崩さないよう、今できるストレスケアについてお伝えしたいと思います。 子どもの心のケア 学校の休校が1週間を過ぎましたが、活動や行動が制限され、いつもと違う生活に大人も子どもも疲れやストレスを感じる頃だと思います。 夜は眠れていますか? ご飯はおいしく食べられていますか? 生活リズムが崩れると自律神経も乱れやすくなります。 特に子どもの場合、ストレスや不安が身体症状(不眠、食欲不振、腹痛など)や行動や感情(いつもより甘える、泣く、わがままになるなど)に出やすくなります。 このような症状がみられたら、まずは安心して落ち着けるよう、感情をありのまま受け止めて親子のコミュニケーションを密にとるようにしてください。親子がともにリズムを作りながら、安心・安全・健康に過ごしていけるよう、ご自身やご家族に合ったストレスケアを心がけていきましょう。 ストレスケア 〜今できること〜 1、睡眠と栄養をしっかりとりましょう 2、起床時間を一定に。朝日を浴びて体操や散歩などで身体を動かし、生活リズムを整えましょう 3、子どもと日課をつくりメリハリをつけ一緒に楽しむ(おうちご飯、物づくりなど) 4、仕事は無理をせず、自分のお楽しみ時間をつくる 5、運動不足にならないよう、自宅でできるストレッチや散歩でリフレッシュ 6、読書やDVD・音楽鑑賞、模様替えなど趣味や好きなこと、やってみたかったことをする 7、ゆっくり呼吸をして気持ちを落ち着かせる(マインドフルネス、瞑想、ヨガなど) 8、現状や不安を受け止めつつ悲観しすぎないようにしましょう 9、情報に振り回されないように 10、いつも以上に自分や家族を大切に 笑うことは免疫力アップにつながります。どんな時でも笑顔を忘れずにいたいものですね。 作品の紹介 こんな時だからこそ、いつもできないことにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。 先日、クリニックに通っている患者さんが、作品を持ってきてくださいました。 とても器用な10代のMさん。時折、レジンアクセサリーや人形服のハンドメイド作品を見せて下さっていましたが、今回はなんと自分で着られるアニメキャラクターの服を自作!細かく工夫がなされていて、診察中にも関わらず見入ってしまいました。作品を見ながら説明してくれた笑顔がとても輝いていました。 二作品目は、歌舞伎鑑賞の雑談もされるまで元気になられたSさんの陶芸作品、織部焼のお皿。色合いや形が素敵で上品な仕上がりです。 心のこもった作品にはいつも癒されます。ありがとうございました。 感染予防のための活動自粛と自らの心身健康維持とのバランスをどう保っていくか悩みや課題もあると思います。未だ先が見通せない状況ですが、何か夢中になれること、自分らしく過ごせること、今やれることを大切に、少しでも心穏やかに過ごせるといいですね。 引き続き、受診される皆さまの心身ケア・サポートをさせていただく所存です。ご不安なことがございましたらお気軽にご相談ください。 そしてスタッフ一同、院内感染予防に努めてまいります。熱や咳などのかぜ症状のある方は、直接院内に入らず電話にてご相談いただきますようご協力の程よろしくお願いいたします。 一日も早く収束し平穏な日々が戻ることを心より願っております。 |
2020年3月9日(月) |
謹賀新年 |
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新年あけましておめでとうございます。 新たな年が皆様にとって健やかで笑顔あふれる幸せな年となりますよう心よりお祈り申し上げます。本年もよろしくお願い致します。 当院は今年、移転20周年を迎えます。 この間、クリニックの周辺は徳重駅をはじめ開発が進み、様変わりしました。 先代院長の故武内義哲が開院し46年が経ち、精神科医療を取り巻く状況も変化しました。 令和となり、時代の要請に応えられるよう地域の皆様に信頼いただけるクリニックづくりに努めてまいります。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 |
2020年1月5日(日) |
「もの忘れ検診」〜65歳以上の名古屋市民が対象 |
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今日も高速道路逆走の高齢者ドライバーによる痛ましい交通事故が報道されていました。 高齢になると、目の機能が低下したり、動作反応の機能、特に複数の作業課題を同時に行う能力が低下し、注意力・判断力の低下や操作ミスが起こりやすくなります。 特にアルツハイマー型認知症では、視空間認知機能低下を生じ、空間の位置関係がわかりにくくなるため、運転中に車の位置がわかりづらくなったり、道を間違えやすくなったりします。 相次ぐ高齢ドライバーの不幸な事故がなくなるよう祈るばかりです。 名古屋市で始まる「もの忘れ検診」 今後、高齢化が進み、認知症高齢者は、2025年には全国で約700万人、65歳以上の5人に1人に達すると推計されています。名古屋市では、認知症は誰もがなり得る身近な病気であるという認識のもと、市全体で認知症に関する施策が総合的に推進されています。 そこで、認知症の人を早期に発見して適切な治療や関係機関につなげることや、予防のきっかけとすることを目的に、令和2年1月より65歳以上の市民を対象に「もの忘れ検診」が1年に1回無料で受けられることになりました。 当院は協力医療機関として登録されました 検診内容は、問診による認知機能検査となります。検診ですので、すでに認知症と診断されている方は受けられません。また、簡易的に検査するものであり、認知症の診断を行うものではありません。検診の結果、認知機能低下が認められる場合には、精密検査が行える医療機関へ案内させていただくことになります。 検診希望の方は、令和2年1月より電話にて予約を承りますのでよろしくお願いいたします。 認知症発症予防につながる生活習慣 現在、認知症の決定的な予防法はありませんが、国立長寿医療研究センター長の遠藤英彦先生は、認知症予防の5ヶ条を下記のように示しておられます。 1、生活習慣病の予防 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、脳血管障害が原因となる血管性認知症を引き起こす。糖尿病では2倍、高血圧では3倍、アルツハイマー型認知症の発症も高くなることが分かっている。よって生活習慣病を予防することは、認知症の予防として重要 2、有酸素運動 生活習慣病を予防するためにも効果的なのが、ウオーキングやランニングなどの有酸素運動。有酸素運動と知的活動を組み合わせた「コグニサイズ」という運動法が効果的。具体的には、足踏みやストレッチ、ウオーキングなどの運動と組み合わせて計算やしりとりをすることで、運動と認知トレーニングを同時に行うとよい 3、日記などの知的活動 何歳になっても頭を使うことが大事。特に定年退職後は家に引きこもらず、人と関わり頭を使うようにする。具体的には日記、語学、楽器、囲碁、将棋、カラオケなど 4、野菜・大豆などを意識した食事 食べるとよいとされているのが、緑黄色野菜、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品、海藻類など 5、慢性的なストレスをなくすこと 不和なく笑顔で過ごす 軽度認知障害(MCI)と早期対応 軽度認知障害と診断されても、必ずしも認知症になるわけではありません。国立長寿医療研究センターの研究結果では、MCIの高齢者の4年間追跡調査結果で46%は正常に戻ったといいます。 最近では、MCIが発見されても、食事や運動、生活習慣などを改善することで、認知症への進行を防いだり発症を遅らせたりできることがわかってきました。 長寿の時代、認知症は年を重ねるごとにリスクが高まり、いつ自分や家族がかかるかもしれません。 来年から名古屋市で始まる「もの忘れ検診」。早期に認知機能低下を発見し、生活を見直すことで認知機能の改善や維持が図れるといいですね! |
2019年12月1日(日) |
作品、募集しています♪ 〜折り紙作品の紹介と芸術療法 |
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秋も深まり、この辺りでも木々の葉が色づき始めました。街路樹のトウカエデは緑色から黄色や鮮やかな赤色の紅葉グラデーションがとても綺麗です。 美しい景色を見るように、心のこもった作品を見ることは、心を動かされます。 ところで、クリニックの患者さんには、絵が得意な方、とても器用で刺繍やお裁縫、レジンアクセサリーなど素敵な作品を作られる方、絵手紙や折り紙を楽しまれる方、音楽が好きな方など、さまざまな趣味や芸術センスをお持ちの方が沢山いらっしゃいます。時々、手作り作品を見せていただけるのも、楽しみの一つです。 折り紙作品 今日は、10代の頃から通っておられる患者さんが、気分をワクワクさせてくれるような昆虫・動物ワールドの折り紙作品を持ってきて下さいました。とても表情豊かで、まるで会話したり動きだしたりしそうで、見ていて笑みがこぼれます。Yさんは、作品を作り上げた満足感とともに、喜んでもらえたことでほっとされたようで、笑顔がステキでした。 芸術の力、好きなことに没頭すること、そして表現することの大切さを改めて感じました。 心温まる作品をありがとうございました! クリニック待合室に飾らせていただきますね♪ Yさんの作品 芸術療法(アートセラピー) 作業所・事業所やデイケア・デイサービスなどで作品づくりをされている方もいらっしゃると思います。 芸術療法とは、絵画や粘土細工、写真などの表現手段を利用し、言葉では表現しにくい感情や思いを自分の好きな方法を通して表現する心理療法の一種です。 心のうちを視覚的に表現することで、感情を解放したり、自尊感情を高めたり、意欲の回復にも役立てられるといわれています。表現活動によって、絵画療法、音楽療法、コラージュ療法などがあります。 手先を使って五感を刺激し、脳を活性化させることから、近年では、心理的な病や様々な障害を持つ方のみならず認知症のリハビリテーションにも用いられるようになってきました。 ストレスを感じたら、気持ちを抑え込むのではなく、自分の好きな方法で表現し、発散させ浄化させる。イメージを豊かに創造・想像・表現することで、気づきが得られるかもしれません。 ご自身の関心のある分野で、自分のペースで作業しながら完成するまでのプロセスを楽しむ。そして、思いのまま出来上がった作品を周りの方と一緒に鑑賞することで、心の平穏が得られるといいですね。 作品を作ること、そして観ること。 どちらにも癒し効果があります。 作品を見せていただける方、クリニックブログに載せてもいいという方、どうぞお声をかけて下さいね!皆さまの作品を募集しています♪ |
2019年11月16日(土) |
ストレスを和らげる栄養素〜食生活を見直して心身のトラブルを減らそう |
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今日はハロウィン🎃。ハロウィンとは、古代ケルト人が起源と考えられている祭のことで、もともとは秋の収穫祭を祝い悪霊などを追い払う行事のことだそうです。ここ何年か日本のハロウィンは仮装大会のようになっていますよね。 ハロウィンといえばカボチャですが、まず、カボチャの栄養面について触れたいと思います。 栄養宝庫のカボチャ〜ビタミンACE(エース)3つのビタミンが一度に摂れる! カボチャは、カロテンが豊富なほか、ビタミンCやビタミンEなどをバランスよく含んだ栄養価の高い緑黄色野菜です。 カロテンは体内でビタミンAにかわり、肌や粘膜などの細胞を強化して、免疫力を高める働きがあります。「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われますよね。免疫力が高まると、外から体内に侵入してくる有害な細やウイルスを撃退するだけではなく、抗がん作用も高まります。 ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、活性化酸素の害から体を守って、老化防止や動脈硬化症の予防が期待できます。ビタミンEには血管を広げて血行を改善したり体を温める効果もあるので、冷え性や肩こりを解消する働きもあります。朝晩の気温差が激しくなる秋には欠かせない栄養素ですよね。温かいスープにして飲めば保温効果があり、病後の体力回復にも効果があります。 カボチャの皮やワタ、種もビタミン類、ミネラルが豊富なので、これらも残さずに食べるとさらに栄養価がプラスされます。 カボチャ調理のポイント 特に皮の部分にカロテンが多く含まれているので、皮ごと食べるのがオススメです。種は洗って干したりレンジしたものをフライパンで炒ると、おやつやおつまみにもなります。ビタミンAとビタミンEは脂溶性なので、油と一緒に調理すると体内での吸収率が良くなります。 カボチャ料理 カボチャの料理では煮物が定番ですよね。ビタミンACEの豊富なカボチャにビタミンBが豊富な鶏肉や豚肉を合わせたかぼちゃのそぼろ煮。そのほか、かぼちゃのいとこ煮、パンプキンスープ、かぼちゃと鶏肉のピリ辛にんにく煮、坊ちゃんかぼちゃのグラタンなどさまざまな料理があります。たんぱく質と一緒に摂取すると免疫力もアップするので、和食や洋食などアレンジしてさまざまなメニューを試してみてくださいね! ストレスを和らげる栄養素 食生活が乱れると心身のトラブルを起こしやすくなります。 今一度、食生活を振り返り、下記の点に注意して心身の健康を維持しましょう。 1、1日3食、規則正しくバランスの良い食事をしましょう 2、タンパク質、ビタミン、ミネラルをしっかり摂りましょう ・脳内神経伝達物質にはセロトニン(調整系:気分を保つ。低下すると不安やうつ、パニック発作などを引き起こしたりするといわれている。体のリズムを整えて快眠しやすい状態にするメラトニンを生成する)、ノルアドレナリン(興奮系:恐怖やストレス時に放出し交感神経を活性化。バランスが崩れるとパニック障害やうつ病を引き起こすと考えられている)、GABA(抑制系:脳の興奮を抑制)などがあり、これらのバランスが崩れると心の健康を保てず、さまざまな症状が出現します ・タンパク質は、身体だけでなく脳の中の神経伝達物質の原料となります。また、ビタミンやミネラル(鉄、カルシウム)は神経伝達物質の合成をサポートします。心の安定化にはこれらの栄養素をしっかり摂ることが大切です 3、うつ気分のときには次の栄養素を積極的に摂るようにしましょう ・セロトニンの原料となるトリプトファン(牛乳、バナナ、豆乳、納豆など) ・ノルアドレナリンの原料となるフェニルアラニン(肉類、魚介類、たまご、大豆など) ・ビタミンB6(マグロ、サンマ、サケ、豚肉、レバー、ナッツ類など) ・葉酸(牛肉、豚肉、緑黄色野菜など) 4、ストレス軽減に効果的とされる3つの栄養素〜ビタミンC、ビタミンB群、トリプトファン(タンパク質) ・ストレスがかかった時に消費される栄養素としては、ビタミンC.E、ビタミンB、トリプトファンがあります。ストレスをうけると副腎からアドレナリンやノルアドレナリンが多く分泌され、その際、ビタミンCが大量に消費されるのでビタミンC(ブロッコリー、ピーマン、キウイ、ミカンなど)を十分に摂取することが必要です。ビタミンCは喫煙によっても失われてしまいますので要注意です。また、ブドウ糖を効率よくエネルギーに変えるためにビタミンB群も必要となります。タンパク質とビタミンB群を豊富に含んでいる豚肉はオススメな食材です 5、精神の安定作用のあるカルシウムやマグネシウムが効果的 ・イライラが強く情緒不安定な時にはカルシウム(牛乳、干しエビ、イワシ、ワカサギなど)やマグネシウム(ナッツ類、海藻類)を積極的に摂りましょう。カルシウムの吸収率を上げるにはビタミンDといっしょに摂ることがポイントですが、イワシにはビタミンDも豊富に含まれており絶好の食品です。良質なタンパク質に加えカルシウムとマグネシウムが豊富な豆腐も栄養満点のストレス対策食材です 6、自律神経が乱れやすい場合、栄養不足のことも ・ビタミンB1(豚肉、ウナギ、大豆など)、ビタミンB6(サンマ、レバーなど)、ビタミンB12(あさり、カキなど)は自律神経の働きを正常に保つのに欠かせません。ビタミンB群が不足しないよう注意しましょう 7、インスタント食品やお菓子は摂りすぎない ・砂糖の摂りすぎはイライラを招き(血糖値が急激に上昇後、低血糖になる)、ビタミンやミネラルを消費し、ストレスへの耐性を弱めてしまいます ・インスタント食品中心の食生活では亜鉛やビタミンB群が消費され、ミネラル類の吸収も阻害されるため睡眠リズムが乱れ、イライラしやすくなります 8、飲酒はほどほどに ・飲酒する場合、ナイアシンや葉酸、ビタミンB12 が消費されやすいので、カツオやサバ、イワシなどの青魚、レバー、緑黄色野菜や貝類のおつまみがオススメです。休肝日を設け、量がすぎないように気をつけましょう (参考書籍 食の医学館) 慌ただしい日々を送っているとついつい食事をおろそかにしてしまいがちです。私たちの身体を作っている栄養素に少し気を配りながら楽しく美味しく食事をいただき、心身のトラブルを減らしていけるといいですね。 |
2019年10月31日(木) |
腹式呼吸と筋弛緩法〜体をゆるめて心もリラックス |
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10月22日、各国の王族などおよそ2000人の参列者が見守る中、皇居・宮殿の松の間で、天皇陛下が「即位礼正殿の儀」で国内外に即位を宣言されました。そして、「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添う」とのおことばを述べられました。 国内外の参列された方々も語られていましたが、陛下の平和を希求する強い思いとともに、荘厳・壮麗で日本の素晴らしい伝統と歴史を感じました。令和の時代が平和であってほしいと願います。 一方、台風の爪痕が各地で残り、今なお多くの方が避難をされ復旧に当たっておられます。被災された方々には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日でも早く平穏な日々を取り戻されるようお祈りいたします。 甚大な被害に遭われた方にとって、長引く避難生活や思うように進まない復旧作業の中、気丈に頑張られてこられたものの、過労や過重なストレスにより心身の不調が起こりやすくなってくる時期だと思います。 人と話すことや、素直に感情を出すことで気持ちが楽になることもあります。どうか、一人で抱え込まず、少しでもほっとできる、気持ちが和む時間や場所を作って下さい。 そして、支援の方も、メリハリをつけて休んだり一日一回はリラックスタイムを設けたりするなど、ご自身のセルフケアも忘れないようにして下さいね。 自分に合ったリラクセーション法を身につけておくことは、災害の際だけでなく、日々の生活で役立ちます。呼吸法、自立訓練法、筋弛緩法、ストレスコーピングなどさまざまな方法があります。今回は、腹式呼吸と筋弛緩法を紹介します。 腹式呼吸(丹田呼吸法)〜深い呼吸で体も心も整えよう 丹田(おへその下)を意識した、ゆっくりとした呼吸は、肺に取り込む酸素の量を増やして血流をよくしたり、体をリラックスさせる副交感神経の働きを促します。また、心の安定を司るセロトニンの分泌も促され、イライラや憂うつ気分を和らげる働きも期待できます。ヨガの呼吸法も同様です。 椅子にかけて行う方法です。実際には座禅するとよいのですが、まずは深い呼吸をすることから始めましょう。 1、リラックスして、へその下に手を当て、目は軽く閉じる 2、口から(慣れてきたら鼻から)息を吐ききり(6秒ほど)、へその下をへこませる 3、鼻から息を吸い(3秒ほど)へその下をゆるめ自然に膨らませる *息を吐き切ったときに、自然とへその下が膨らんでくるのを感じるようにする *1では右手を胸に左手をおなかに置いて、左手だけが動くような形で深くゆっくりとした呼吸を行うのも練習になります 筋弛緩法(漸進性筋弛緩法)〜体に力を入れて一気に抜こう ふだん私たちの体には力が入っていますが、ストレスがかかるとますます体に力が入った状態になります。リラックスしようと思っても、逆に力が入ってしまい力を抜くのは難しいものです。そこで、”意識的に力を入れる⇔力を抜く”という運動をすることで無意識に入っていた力も一緒に抜くことができます。 体の各部位の筋肉を緊張させた後、ストンと一気にゆるめることを繰り返して、体の緊張をほぐします。できる部位だけ行うこともできますが、順番に全身に対して行うと一層効果的です。 基本動作:10秒間(5秒程度でも可)力を入れる→一気に力を抜き、その感覚を20秒間(10秒程度でも可)感じる 部位ごとの力の入れ方 1手:両腕を伸ばし、親指を曲げて握りこぶしを作り、力を入れる→脱力 2上腕:握りこぶしを肩に近づけ、曲がった上腕全体に力を入れる→脱力 3背中:2と同様に曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引きつける→脱力 4肩:両肩を挙げて首をすぼめるように肩に力を入れる→脱力 5首:右側に首をひねって力を入れる→脱力 左側も同様に 6顔:口をすぼめ、奥歯をかみしめて顔全体を顔の中心に集めるように10秒間力を入れる→脱力(ゆるめた時には、口がぽかんとした状態に) 7腹部:おなかに手を当て、その手を脚返すように力を入れる→脱力 8足の下側:つま先まで足を伸ばし、足の下側の筋肉に力を入れる→脱力 9足の上側:足を伸ばし、つま先を上に曲げて、足の上側の筋肉に力を入れる→脱力 10全身:1〜9を一度に10秒間緊張させ、力をゆっくり抜いて、その感覚を20秒間感じる *力を入れているときも抜いたときも、その部位の感覚をじっくり味わうことが大切です。特に力を抜いたときの、じんわりとゆるんでポカポカとあたたかくなる感じを味わいましょう。 *時間や力の入れ方も無理のないように7、8割程度の力で行いましょう。 *さいごに体から力を抜いたまま、リラックスできる心地よい場面をイメージします (協会けんぽ健康サポート 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義監修 参照) 簡単リラクセーション これらを全部やる余裕がないときには、まず力を抜いたまま両手をたらして2、3回ゆっくり腹式呼吸した後、手の力を入れて抜いたり肩に力を入れて抜く動作を行っても簡単なリラクセーションを行えます。 今回、紹介した腹式呼吸と筋弛緩法。疲れがたまっていたり、ストレスを感じたりしている時にはもちろんですが、仕事や家事の合間など普段の生活にも取り入れて、体も心もリラックス&リフレッシュできるといいですね。 |
2019年10月24日(木) |
「無」になることで心の安定とともに創造力も高まる⁈〜瞑想と坐禅の試み |
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ラグビーW杯で日本チームの躍進の最中、旭化成 名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞されました。おめでとうございます! 吉野氏が開発されたリチウムイオン電池は、軽量かつ高出力で充電して何度も使えるのが特徴といい、スマートフォンやパソコンなどに広く使われており、今や我々の生活には欠かせないものですよね。 吉野氏は、記者会見で、「研究には頭の柔らかさと執着心が大切だ」と語っておられました。そして、「アイデアはぼーっと何も考えずにいたときのほうが、自然に浮かんできたのも不思議だね」とも話されていたそうです。 ノーベル受賞者や発明家の方々は、「何も考えないでいる時に斬新なアイデアが浮かんだ」とよく言われます。もちろん、ひらめくためにはたゆまぬ努力があってこそだと思います。 瞑想は発想力を豊かにするといわれ、スティーブ・ジョブスが瞑想のおかげで様々なアイデアが生まれたと語ったエピソードは有名ですよね。 坐禅体験 先日、京都のお寺で坐禅の体験をしました。 若い方を中心に外国の方もいらして、坐禅への関心の高さが窺えました。 日常から離れ、静寂の中、体を落ちつけ動じない形に安定させ、心を一か所に集中し自分と向き合い「無」になる。坐ることによって身・息・心を統一するのが坐禅ということです。 僧侶によると、宗派によって細かいところは異なるものの、坐禅するときの心構えは3つあるといいます。 ・無になること ・最初は無になることが難しいので、その場合には、過去、今、未来の自分を離れて見るようにする ・聴こえてくる音や風などに集中する 10分、15分の座禅でしたが、とてもゆっくりとした時間が流れ、頭の中がすっきりと清々しい気持ちになりました。 禅IT 福井の永平寺町ではシリコンバレーから移り住んだアメリカ人の若者が禅を学び、禅ITの活動を行っていることが報道されていました。 仕事前に体だけでなく心も落ち着かせる。仕事上、長時間パソコンやスマホを見るため、時間を区切って坐禅を行うことにより、目の前の作業に集中でき、違う考えが浮かぶようになるといいます。 さまざまな瞑想と座禅 瞑想にはマインドフルネス、ヨーガ、仏教、坐禅などいろいろなやり方や形があります。 目的も異なり、仏教では悟りを目指し、マインドフルネスでは心身の健康を目指します。 「マインドフルネスストレス低減法」の著者でもあるマサチューセッツ工科大学医学部名誉教授 ジョン・カバットジン氏は8週間のプログラムを開発し、慢性疼痛や不安、うつの改善があることを実証しました。 最近は脳科学や免疫学の分野でもその効果が実証されつつあります。「マインドフルネス瞑想法というのは、”今”という瞬間に完全に注意を集中するという方法」「瞑想は”ただ存在する”という体験をもたらしてくれるもの」と同氏はいいます。 日本マインドフルネス学会の越川房子理事長も、マインドフルネス瞑想の訓練をすると、不安から逃れようとするときに促進される「することモード」より、現状を受け入れる「あることモード」になりやすく、ストレスや不安の軽減につながるといいます。 また、瞑想で「思考」を切り離す訓練をすることで、思考と自分との間に隙間が生まれ、自動的にわいてくる思考や感情に巻き込まれにくくなるといわれます。自分を苦しめる思考パターンや行動パターンに気づき、それを減らしていくことで、ストレスや苦しみが減っていくことが期待されます。 マインドフルネス瞑想と坐禅、ヨーガを実践してみて、違いはあるものの「自分の心の中」に関心を向ける東洋思想や技法がベースになっていること、そして、東洋思想への関心の高さも感じました。 「今この瞬間を大切にする」という姿勢で、自分がやりやすい方法で瞑想を日々の生活の中に取り入れていくことで、心穏やかに心身の健康を保っていけるとよいのではないでしょうか。 この分野は奥が深いですが、臨床に活かしていく方法をこれからも考えていきたいと思います。 |
2019年10月10日(木) |
ランチョンミーティング〜医療者としての心構え |
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「暑さ寒さも彼岸まで」と言うように朝晩は気温が下がり暑さが和らいできました。出勤前に空を見上げると、青空の中にハケで描いたようなすじ雲が見られました。夜には虫の鳴き声が聞こえ、秋らしくなってきました。 季節の変わり目は、自律神経の乱れによる体調不良を生じやすい時期です。さわやかな秋空の下、ウォーキングなどで体を動かし、睡眠と栄養をとって調子を整えていけるといいですね。 さて、今日の院内ミーティングでは反省会とともに医療安全管理研修を行いました。 まずは、当院の不手際で患者様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。 院内および院外の連携不足についても深く反省し、今後の再発防止と対策について話し合いました。 今後は、確認不足による間違いがないようスタッフ間のコミュニケーションを密にとり二重チェックを行うこと、病診連携を速やかに行うこと、そして、わかりやすく丁寧な説明を行うことを心がけ実行してまいりたいと思います。 我々は、医療を求めて来られるお一人お一人に真摯に向き合い、その方の状況を考慮しながら適切な医療を提供させていただく所存です。 受診されるまでさまざまな思いを抱きながら勇気を出して受診された方々に、受診してよかったと思っていただけるようスタッフ一同全力で取り組んでまいりたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。 今回、患者様にご指摘いただいたことで、初心に立ち返り、医療者として日々の行いや医療について、改めて考える機会となりました。 医療を受ける側と提供する側〜両方の視点から医療を考える 医療を受ける側として 私事になりますが、家族の入院で付き添った際に感じたことがあります。 患者さんや患者家族はこんなに大変な思いをしているのだと実感したとともに、いつもの医療者として見える景色と全く異なりました。 治療を受ける本人や家族にとって、流れている時間の長さ、医師や看護師、病院スタッフの言葉や振る舞いがとても気になり影響を受けること。病気になって心身が弱っている本人や看病疲れの家族の気持ち。。初めての治療を受ける不安、検査結果が出るまでの不安、一つ一つが不安で仕方ない。医療者は忙しそうにしているが、きちんと向き合って適切に治療してくれるのだろうか。。もう少し優しく丁寧に接してほしい。。辛い時は時間が長く感じてしまう。。 医療を提供する側として 医療者は患者さんと全く同じ体験はできないものの、どんな気持ちでいるかを想像し、自分ならどうしてほしいか、どのような言葉に励まされ、反対に傷ついてしまうのか、よく考えて言葉を発していかなければなりません。 患者さんは治療の侵襲でただでさえ苦痛であるのに、医療者の何気ない言動で苦痛や不安が増すようなことはなくさなければならないと思います。 医療は医療者と患者さんとの協同作業で信頼関係が大切 医学は日々進歩していますが、医療に100%の確実性はないと言われています。だからこそ、十分な説明と同意を元に治療方針を選択していくことになります。 我々医療者は常に患者さんの立場を尊重し、そして患者さんも遠慮なくご自身の気持ちを伝えていただき協力し合うことで、より良い信頼関係を築き、納得のいく治療を行っていくことができると思います。 いつも医療者側にいると気づきにくいことを患者様から教えていただくことが度々あります。これからもどうぞ忌憚のないご意見をお聞かせ下さい。 今回のご指摘を真摯に受け止め、安心して受診いただけるようなクリニック作りに努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。 |
2019年9月25日(水) |
今月の花 |
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遅くなりましたが、今月のお花を紹介させていただきます。 プリザーブドフラワーは生花を特殊液(食用の着色料等)に浸して乾燥させた花です。生花のような瑞々しい質感を保ちつつ多彩な色合いと豊富なアレンジが魅力的ですよね。 待合室出窓には、鮮やかなオレンジの胡蝶蘭と菊でアレンジしたプリザーブドフラワーを飾りました。夏の疲れを少しでも癒していただけると嬉しいです。 受付窓口には、赤や淡いピンクのバラを中心に秋らしい色合いのプリザーブドフラワーを置きました。昨年作ってもらったのものですが、自然な風合いを保っています。 診察室机に。黄色いバラをアクセントにバイオレット色調にまとめられています。ガラスの器の飾りも手作りで、中には紫陽花の花びらが顔を覗かせています。心が和み優しい気分にさせてくれます♪ |
2019年9月10日(火) |